口元を触ると落ち着くのはなぜ?――「口寂しさ」と心のつながり
- yudoniigata
- 4月25日
- 読了時間: 3分
更新日:4 日前

私たちは、不安や緊張を感じたとき、無意識に唇を触ったり、何かを口に入れたくなったりすることがありますよね。ガムを噛んだり、タバコを吸ったり、つまみ食いをしたり…。それってただの癖じゃなく、実は人間の本能的な安心行動なのかもしれません。
今回は、「口元の安心感」がどこから来るのか?というテーマを、心理学や神経科学の視点からわかりやすく解説してみます。
赤ちゃんの頃に植えつけられる「口=安心」の感覚
心理学の巨匠・フロイトは、人の成長を段階で捉える発達理論を提唱しています。その中でも一番最初のステージが「口唇期(こうしんき)」。
生まれてから1歳くらいまでの赤ちゃんは、おっぱいやミルクを飲むことで栄養を得るだけでなく、口を通じて安心や快感、愛情を受け取っています。この時期に「口で感じる心地よさ」が脳に強くインプットされるのです。
つまり、唇に何かが触れる → 安心するという“快”の記憶が、無意識の中に刷り込まれているというわけです。
唇への刺激でリラックスする脳の仕組み
「口に触れると落ち着く」には、神経科学的な裏付けもあります。
唇や口の周りには多くの神経が集中しており、感覚がとても敏感です。この部分に触れると、自律神経の中でも「副交感神経」が優位になり、心身がリラックス状態になります。
実際にこんな研究結果も:
赤ちゃんにおしゃぶりを与えると、心拍数が下がり、ストレスホルモン(コルチゾール)が減る。
大人がガムを噛むと、ストレスが軽減し、集中力がアップする(ロンドン大学の研究)。
こうした反応は、脳が「安心モード」に切り替わっているサインなんです。
「口寂しい」って本能だった⁉︎
「なんか口が寂しい…」と感じること、誰にでもありますよね。
ついお菓子をつまんでしまう
タバコに手が伸びる
ペンやストローをくわえてしまう
これらの行動は、ストレスや不安を感じたときに、安心を求めて“口”に頼る本能的な反応。赤ちゃんの頃に感じた「口を使って落ち着く」感覚を、大人になっても再現しようとしているのです。
まとめ:口に触れることで得られる安心は、原始的な記憶の名残
私たちが唇を触ったり、口に何かを入れたくなるのは、
赤ちゃんの頃に植えつけられた「口=安心」の記憶
唇への刺激が副交感神経を刺激してリラックスさせるという身体の反応
不安やストレスからくる本能的な安心行動
という、心理・身体の両面からの自然な現象です。
「なんで口寂しくなるんだろう?」と思ったときは、自分の心が安心や癒しを求めているサインかもしれません。そんな時は、無理に我慢せず、自分をやさしくケアしてあげてくださいね。
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